“BLACK&WHITE”とは
BLACKとWHITE。
二人がそろうとき、
彼らの前に、まだ見ぬ影が――
コンセプト
「BLACK & WHITE」は、名前も物語もない“何者でもない”ヒーロー像である。
アニメ、マンガ、特撮、ゲーム、おもちゃ――そうしたポップカルチャーの中で育まれてきたフィクションのキャラクターたちに、人は自己を投影し、理想や憧れの感情を抱いてきた。その感情は現実のふるまいや価値観に影響を与え、ときに社会に変化をもたらす原動力となり、文化を発展させ、社会そのものをかたちづくる。
このシリーズは、ヒーローをフィクションの象徴として捉え、そうした人の営みを集積し再構築する。
造形は黒と白を基調に、記号的なフォルムで構成されている。
あえて情報を削ぎ落とすことで、見る人の記憶や感情と重なり合い、それぞれの中にあるヒーロー像を引き出す“空白”として機能させている。
そこには、長年にわたりポップカルチャーに親しんできた人々の中に眠る、潜在的な創造性が自然と溶け合っていくのだ。
「BLACK & WHITE」は、ソフビを起点に、立体造形のみならず、さまざまな形式やメディアへと展開していく。
写実とデフォルメ、立体と平面、ホビーとアート、そうした異なる要素を行き来しながら、ポップカルチャーが育んできた創造の連なりを、現代の視点と手法で継承し、未来へと繋いでいくシリーズである。
“何者でもないヒーロー”を、どんな存在にするかは、あなた自身の想像力に委ねられている。
作家について
黒澤津 勝大(Katsuhiro Kurosawatsu)
1991年1月 三重県四日市市生まれ。
2011年、特殊メイク・造形制作会社に入社。テレビ、映画、CM、イベントなどの特殊メイク・造形制作に従事。
2021年に退職後、フリーランスとして活動を開始し、2022年には株式会社Acxyz Creativを設立。商業フィギュアの原型制作やグラフィックデザインなど幅広く手がける。
作家としては、手法にとらわれない自由な表現を軸に、ポップカルチャーの引用や組み合わせ、再構成を通じて、“創造性”や“それっぽさ”とは何かを問い直すような作品を制作している。
扱うモチーフはどれも、どこか見覚えのある“既視感”をまとっており、コピーがコピーを生むような「オリジナルなき循環」をあえて肯定的に描いている。
作品はアートともホビーとも分類しきれない、境界に立つような存在であることを大切にしている。
2024年には初の展覧会「SIGN展」を銀座SHUTLにて開催。
量産されるゾンビを描いたアニメーション作品“451”、ポップカルチャーの視点から再構築されたヴィーナス像"Καταναλωμένη Αφροδίτη"、般若心経を刻んだ怪獣の彫刻“Echo”などを通じて、大量生産・大量消費社会、監視社会、精神性といった主題を軽やかに、かつ批評的に交錯させた。
